誰でも簡単!元農学部生がクワガタ標本の作り方を徹底解説!

標本の作り方

夏休みに飼っていたクワガタが死んでしまった後、あなたはどうしていますか?

そのまま土に埋めたり、燃えるゴミとして捨てたりしていませんか?

「大事にしてたから標本にして残しておきたい」

そう考えたことも少なからずあると思います。

しかし、標本を作ってみたいと考えても、

「標本作りって難しそう…」

「特殊な薬品が必要そう」

「何を用意すればいいか分からない」

と考える方もいらっしゃることでしょう。

そんな初心者のために、今回は標本の作り方や必要な道具について解説していきます!

作り方を覚えれば、大切なクワガタが死んでしまった後も標本として残しておくことができますよ!

クワガタの標本って、実はとっても簡単に作れます!

そもそも標本作りが難しいと思っている、そこのあなた!

実は標本作りって「保管、軟化、展足、乾燥、仕上げ」だけなんです!

この5つを抑えれば、誰でも簡単に始めることができます。

まずは必要な道具から解説します。

用語の説明も要所ごとにしていきますので、早速見ていきましょう!

クワガタの標本作りに必要な7つ道具を紹介!

これから紹介する道具は、昆虫針以外は簡単に100円ショップで集められます!

道具を使う意図も説明しますので、早速見ていきましょう!

昆虫針(虫ピン)

昆虫の体に刺して、標本箱等へ固定するために必要なものです。

マチ針で代用する人もいますが、長期間の保存を考えると正規の昆虫針を使うことをオススメします。クワガタには3〜5号の針を使いますが、大きい個体だと3号針は刺さりにくいので、面倒な方は5号針だけの購入でもOKです。自分もこちらの志賀昆虫針を愛用しています。

こちらのリンクより購入可能です。http://www.shigakon.com/fs/konchuu/20105

¥470(税込)100本入り

発泡スチロール

標本を作る際の土台として使います。クワガタの大きさに合わせて適度に割ってあげると、乾燥をする際に保存がしやすいです。

発泡スチロールがない時には、コルクボードを小さく切って使用しても大丈夫です。

マチ針

昆虫の足などを固定するために使います。

1匹の展足に10本以上は使う羽目になるので、100円ショップの40本入りを購入すると良いでしょう。(多い時には1匹に20本以上使うこともあります)

ピンセット

触覚、爪など細かい部分の微調整に欠かせません。

先の尖っているものの方が、細かい作業がしやすいです。

タッパー(大きいサイズ)

昆虫を乾燥させるステップで使用します。風通しの良いところで乾燥させる方法もありますが、虫に食い荒らされる可能性も高いので、いつも自分はタッパーに入れて乾燥させます。

(昔、乾燥途中のクワガタが虫に食われてしまいました…)

乾燥剤

タッパーの中に昆虫と一緒に入れます。大きいサイズのものは効果が長続きするので、交換の手間が省けます。死んだ昆虫を乾燥する時にも使用するので、多めに用意しておくと後々便利です。

防虫・防カビ剤

乾燥〜乾燥後も昆虫と一緒に入れます。これがないとカビが生えたり、虫に食われたりします。衣類用のものを使用し、交換目安にしたがって定期的に交換しましょう。

クワガタの標本作りにおける5ステップ

STEP1:死んだクワガタの保管

飼育箱の中で死んだクワガタは痛みやすいので、すぐに乾燥もしくは冷凍しましょう。

遅くても、死骸発見当日中には飼育箱から移し替えます。

乾燥の場合:底にティッシュを敷いたタッパーに乾燥剤と一緒に入れて、そのまま保管します。

冷凍の場合:底にティッシュを敷いたタッパーに入れて、冷凍庫に入れます。

手間が少ない冷凍の方がおすすめですが、昆虫を冷凍庫へ入れることに抵抗がある方は乾燥で保管しましょう。

タッパーの底にティッシュを敷いているのは、転がり防止・転がっても足などが欠けないようにするためです。自分一人で使える冷凍庫がない場合には、一度ご家族に了承を得た上で入れるようにしましょう。(以前クワガタを無断で入れていたところ、家族から烈火の如く説教されました)

STEP2:軟化

軟化とは乾燥・冷凍したクワガタをお湯につけて体をやわらかくする作業です。

空の飼育箱等に沸騰させたお湯を入れ、そこへクワガタを浮かべます。

(人によっては50〜60度くらいのお湯に入れるそうですが、経験上沸かしたてのお湯を使っても問題ないです。)

20〜30分後にお湯から出して、足の付け根・大あごの付け根が動かせるか確認します。

クワガタの大きさによって軟化の時間が前後しますので、時々確認するようにしてください。

STEP3:展足

展足は昆虫針やマチ針を使用して、昆虫の足を整える作業です。

まずはクワガタの上翅の右側に昆虫針を刺して、土台へ固定します。

この時、針はクワガタに対して垂直となるように貫通させ、中足・後足の間を通しましょう。(手で刺しにくい場合には、針をピンセットの持ち手で挟むと刺しやすくなります)

土台へ固定したら、胸部と上翅の下側を両脇から支えるようにマチ針を刺します。

これによって、展足の時にクワガタの体が横にズレるのを防げます。

その後は大あご・触角・足を順番に整えるだけです。

触角や爪はピンセットを使うと整えやすくなります。

見本として、以前私が作った標本を掲載します。(標本の画像)

STEP4:乾燥

ここまでできたら、後は乾燥させます。

乾燥剤・防虫剤と一緒にタッパーへ入れ、1ヶ月程放置します。

フタが密閉されていないと、カビ・虫食いの原因になるので、ピッタリ閉めてください。

日焼けしないように直射日光の当たらないところにおくこともポイントです。

STEP5:仕上げ

乾燥が終わったら、まずは足などを支えているマチ針を抜いていきます。順番としては足の先端→足の付け根になります。乾燥しているクワガタは大変壊れやすいので、取り扱いには注意しましょう。次に標本に添えるラベルを作成します。ラベルに書く内容は、主に採集者・日付・採集場所です。個人の鑑賞用だったら作らない人もいますが、素人の標本が貴重なデータになった事例もあるので、作った方が良いでしょう。

作成したラベルを腹側から突き出している昆虫針に刺し、そのまま標本箱へ移して完成です。

ドイツ製の標本箱(通称:ドイツ箱)は機密性が非常に高く、長期間保存できる代物ですが、それ相応に高価でもあります。そのため、タッパーで自作の標本箱を用意するのも一つの手です。(自分も自作標本箱を使っていますが、約10年間問題なく保管できています)

まとめ

・標本作りは「保管、軟化、展足、乾燥、仕上げ」の順番に行う

・必要な道具はほぼ100円ショップで揃えられる

いかがでしたか?今回は初心者の方向けにクワガタの標本の作り方を紹介しました。

ここまで読んでいただいたあなたは、十分標本を作れるだけの知識を持っています!

ぜひ標本作りにチャレンジして、大事にしていたクワガタをいつまでもカッコいい姿で残してあげて下さいね!

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